浪曲師の独特の唸り声、エモーショナルな節回し、キレのよい啖呵。曲師の三味線とのスリリングなインタープレイが、初めて見る者の心をたちまち鷲づかみにする。平成生まれの浪曲師や曲師が育ち、女性の演者が増えた。浅草木馬亭の客席は昔ながらの愛好者と新たなファンが入り混じり、新時代の到来を予感させる。
主人公は、そんな浪曲の世界に飛び込んだ港家小そめ。伝説の芸豪・港家小柳に惚れ込み弟子入りした小そめが、晴れて名披露目興行の日を迎えるまでの物語だ。映画のもう一つの主役というべきは関東唯一の浪曲の常打ち小屋である木馬亭。舞台裏では、さまざまな人生が交錯し、ベテランから若手へと芸が継承されていく。
製作・撮影・監督は、川上アチカ。小そめと同じく小柳の虜になった川上は8年の歳月をかけて本作を完成させた。親密なキャメラは、小柳と曲師の玉川祐子、そして小そめが大切な何かを育んでいく様子を克明に写す。もちろん、迫力満点の口演場面も大きな見どころだ。玉川奈々福、玉川太福など、当代きってのスターたちも顔を覗かせ、たっぷりと楽しめるドキュメンタリー。
地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
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北海道札幌市 | シアターキノ | 011-231-9355 | 上映終了 11月4日(土)~11月8日(水) |
備考 | |||
宮城県仙台市 | フォーラム仙台 | 022-728-7866 | 上映終了 8月18日(金)〜8月24日(木) |
備考 | |||
山形県山形市 | フォーラム山形 | 023-632-3220 | 上映終了 9月15日(金)〜9月21日(木) |
備考 | |||
山形県鶴岡市 | 鶴岡まちなかキネマ | 0235-64-1441 | 上映終了 9月16日(土)~9月29日(金) ※火曜休館 |
備考 |
地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
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東京都渋谷区 | ユーロスペース | 03-3461-0211 | 上映終了 7月1日(土)〜7月28日(金) |
備考 | |||
東京都北区 | シネマ・チュプキ・タバタ | 03-6240-8480 | 上映終了 9月1日(金)~9月16日(土) *水曜休館 |
備考 *すべての回で日本語字幕付き上映(スクリーンに表示)、 全席に日本語音声ガイドや本編の音の増幅ができるイヤホンジャックを搭載しています。 |
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東京都世田谷区 | 下高井戸シネマ | 03-3328-1008 | 上映終了 9月30日(土)~10月6日(金) |
備考 | |||
東京都中野区 | ポレポレ東中野 | 03-3371-0088 | 上映終了 11月4日(土)〜11月10日(金) |
備考 | |||
神奈川県横浜市 | 横浜シネマリン | 045-341-3180 | 上映終了 8月5日(土)~8月25日(金) |
備考 | |||
神奈川県川崎市 | 川崎市アートセンター | 044-955-0107 | 上映終了 9月16日(土)〜9月22日(金) *月曜休館 |
備考 | |||
神奈川県逗子市 | CINEMA AMIGO | 046-873-5643 | 上映終了 11月12日(日)〜11月25日(土) |
備考 | |||
千葉県柏市 | キネマ旬報シアター | 04-7141-7238 | 上映終了 7月22日(土)〜8月4日(金) |
備考 | |||
群馬県高崎市 | シネマテークたかさき | 027-325-1744 | 上映終了 9月8日(金)〜9月14日(木) |
備考 |
地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
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愛知県名古屋市 | シネマスコーレ | 052-452-6036 | 上映終了 7月29日(土)~8月18日(金) *8月15日(火)休映 |
備考 | |||
長野県長野市 | 長野相生座・ロキシー | 026-232-3016 | 上映終了 12月1日(金)〜12月7日(木) |
備考 | |||
長野県上田市 | 上田映劇 | 0268-22-0269 | 上映終了 12月9日(土)〜12月15日(金) |
備考 | |||
長野県松本市 | 松本CINEMAセレクト | 0263-98-4928 | 上映終了 ★アンコール上映★12月22日(金)のみ |
備考 会場:まつもと市民芸術館小ホール | |||
新潟県新潟市 | シネ・ウインド | 025-243-5530 | 上映終了 8月19日(土)~9月1日(金) *火曜休館 |
備考 | |||
石川県金沢市 | シネモンド | 076-220-5007 | 上映終了 9月2日(土)〜9月8日(金) |
備考 | |||
富山県富山市 | ほとり座 | 076-422-0821 | 上映終了 9月9日(土)~9月15日(金) |
備考 |
地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
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兵庫県宝塚市 | シネ・ピピア | 0797-87-2261 | 24年2月23日(金)〜26日(月)、2月28日(水)〜29日(木) |
宝塚映画祭 番外企画【日本ドキュメンタリー映画の現在】にて上映 | |||
大阪府大阪市 | シネ・ヌーヴォX | 06-6582-1416 | 上映終了 10月21日(土)〜11月3日(金祝) |
備考 | |||
大阪府大阪市 | 第七藝術劇場 | 06-6302-2073 | 上映終了 7月8日(土)~8月4日(金) |
備考 | |||
京都府京都市 | 京都シネマ | 075-353-4723 | 上映終了 7月7日(金)~7月20日(木) |
備考 | |||
兵庫県神戸市 | 元町映画館 | 078-366-2636 | 上映終了 8月5日(土)〜8月18日(金) |
備考 |
地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
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広島県広島市 | 横川シネマ | 082-231-1001 | 上映終了 8月12日(土)~9月1日(金) *8月26日(土)休映 |
備考 | |||
広島県尾道市 | シネマ尾道 | 0848-24-8222 | 上映終了 8月12日(土)〜8月18日(金) |
備考 | |||
愛媛県松山市 | シネマルナティック | 089-933-9240 | 上映終了 8月19日(土)〜8月25日(金) |
備考 |
地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
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福岡県福岡市 | KBCシネマ | 092-751-4268 | 上映終了 9月16日(土)〜9月22日(金) |
備考 | |||
大分県大分市 | シネマ5 | 097-536-4512 | 上映終了 7月22日(土)~7月28日(金) |
備考 | |||
大分県別府市 | 別府ブルーバード劇場 | 0977-21-1192 | 上映終了 9月8日(金)~9月21日(木) |
備考 | |||
大分県日田市 | 日田シネマテーク・リベルテ | 0973-24-7534 | 上映終了 9月11日(月)~9月22日(金) |
備考 | |||
佐賀県佐賀市 | シアター・シエマ | 0952-27-5116 | 上映終了 11月17日(金)〜11月23日(木) |
備考 | |||
熊本県熊本市 | Denkikan | 096-352-2121 | 上映終了 9月1日(金)〜9月7日(木) |
備考 | |||
宮崎県宮崎市 | 宮崎キネマ館 | 0985-28-1162 | 上映終了 9月8日(金)~9月21日(木) |
備考 | |||
鹿児島県鹿児島市 | ガーデンズシネマ | 099-222-8746 | 上映終了 12月3日(日)1日限りの上映 |
備考 | |||
沖縄県那覇市 | 桜坂劇場 | 098-860-9555 | 上映終了 11月27日(月)〜12月8日(金) |
備考 | |||
沖縄県沖縄市 | ミュージックタウン音市場 | 098-932-1949 | 上映終了 12月2日(土)〜12月21日(木) |
♦休映日…12/3㊐、6㊌、9㊏〜11㊊、13㊌、16㊏、20㊌ |
コメント
老浪曲師の元へこの御時世に入門する港家小そめ。
買ってでもする苦労と人と芸との情念の物語、いざっ!
「いよっ待ってました」「たっぷり」「日本一!」……お時間まで……。
血のつながりのない、しかし血よりも濃い繋がりの、
家族の姿です。
そしてそれが、浪曲そのものの姿なんだと思います。
想いを寄せあう人々の姿は、こんなにも美しい!
浪曲の波動を、たっぷり! 浴びましょう。
(漫才師「米粒写経」/『渋谷らくご』キュレーター)
あったかい人情に、ぐちゃぐちゃに揉まれながら。
それってなんて素敵で、おもしろいことなんだろう。
希望なんてどこを探してもないこの国に、
それはもう希望と呼んで差し支えないのではないだろうか。
これはなんと幸せなことだろう。
人の営みの中で継承されてきた芸をまるごと受け止める若き浪曲師の姿に、何度も胸が熱くなった。
たこに人は集う。行き交う足跡が、またたこになる。一代で終わらない、憧れの痕。
この空は明るくも、暗くもない。ただただ、うまくなりたい。
いっしょくたになった人と芸と生活が、
いまを生きる浪曲の魅力を伝えてくれる。
師弟を越え家族のような結びつきの中で、紡がれ続けてきたものの熱と愛の総量に圧倒された。
こんなのもう、人生じゃん…。
(書評家/『浪曲は蘇る』
『100歳で現役! 女性曲師の波瀾万丈人生』(共)著者)
師匠と小そめさんが並んで歩く後ろ姿、背中に添える手が、稽古だけではない継承の営みを、その尊さを描いていた。
受け継いだ人の中に生き続ける記憶もまた、同じ近さで、その人を支えていくのだと教えてくれる。
青空に揺れる桜は、別れのときを報せながらもあたたかかった。
彼方から見守る人たちを、見上げる視線から想像した。